7階の一番奥にある美術画廊です。お客様の中には、画廊をご存じない、もしくは、ご存じでも敷居が高そうで近寄り難いという方もいらっしゃるかもしれません。このブログを通じて、少しでも美術の楽しさ・素晴らしさを身近に感じていただけますよう、素敵な作家・作品情報をわかりやすくお届けしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
YOKOHAMA GLASS STROLL 潮工房○小西潮展を 7月22日(水)より28日(火)迄の会期にて開催いたします
小西潮先生は、
1964年千葉県生まれ。
横浜緑ヶ丘高等学校卒業、
中央大学文学部史学科卒業後、
ステンドグラススタジオ45勤務、
ピルチャックグラススクール(米国)受講、
富山ガラス造形研究所入学、
チャダムグラスカンパニー(米国)勤務、
を経て
ガラス工芸潮工房(神奈川県三浦市)を江波冨士子氏とともに設立されました。
ヴェネチアングラスと言えば、
・1291年 秘密保持のために職人をムラーノ島へ強制移住
・1450年頃 アンジェロ・バロヴィエールという人(たち)によってクリスタッロ(透明で澄んだガラス)が開発
・16~17世紀 諸外国に輸出され、それを手本としたガラスが作られていくようになる
...等々、歴史的背景にも注目されますが、
リチャード・マーキス(ポップなアメリカンテイストでヴェネチアンの作品を制作)に憧れた小西先生は、
レース(レースのような繊細な装飾をほどこす技法)と
ムリーニ(中にデザインが含まれたガラス棒の断面をモザイク状に並べて表現する技法)を
やるために潮工房を設計・設立されました。
潮工房では、小西先生の仕事、江波先生の仕事、という境目が当初なかったそうですが、
江波先生はムリーニを始めてからそちらが多くなり、逆に小西先生はレースに絞られてきたそうです。
ちなみに、レースグラスは、ヴェネチアの名産であったレース編みの雰囲気を出すために作られはじめたそうです。
それでは、作品をご覧ください。
「TRICOLOR DOLCE STAND」(左)
「GODZILLA DOLCE STAND」(右)
まず「ケイン」と呼ばれる、色ガラスを細く引き伸ばしたガラス棒を作ることから始まります。
温められた透明なガラスに色ガラスをつけ、根元と先端を冷やし真ん中が熱い状態にしておいて、
その塊がついた棒を2人1組でねじりながら伸ばしていきます。
次に切りそろえたケインを切り、高温炉でガラスを温め、吹きながら形を整えます。
ちなみに、『ドルチェ』はイタリア語で「甘い」を意味しますが、語源はラテン語の「甘美」です。
甘いひと時を、今年は自宅で、楽しみたいです。
次にこちらをご覧ください。
3つのパーツそれぞれに、レース編みのような、幾何学的で美しく繊細な模様が作られています。
「Fuel Tank Blue ワイングラス」
サプライズでプレゼントしたら、喜ばれそうです。
そのまま、 白ワインで乾杯! していただければ幸いです。
今展のタイトル “YOKOHAMA GLASS STROLL”
...作品を見ながら、ヨコハマを散歩する気分を味わっていただけたら
という思いから、小西先生の生まれ育った街・横浜をテーマに選ばれたそうです。
ぜひ作品から横浜の風景、海や空の色を連想していただけたらと思います♪
「Fuel Tank Glass」(左)
「Gantry Crane Wine Glass」(右)
「Gantry Crane(コンテナの積み下ろしを行うクレーン)」は、横浜港の埠頭にも設置されています。
「赤レンガ 楕円皿」
明治政府によって保税倉庫として建設された「赤レンガ倉庫」。
2013年には、通算来場者数6000万人突破を記念して「デジタル掛け軸」が投影されました。
夜はオレンジ色にライトアップされ、横浜ベイブリッジや横浜港大さん橋など、港の夜景を楽しめます。
「飛行機 」
オブジェもあります
「虹が立つ 水指」
お茶道具もあります
ぜひ、会場でご覧ください。
皆様のご来廊お待ち申しあげております!
#おうちで高島屋 #横浜高島屋 #小西潮 #konishiushio