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中村信喬展 祈りのひとがた ◇ 2020年9月9日(水)→15日(火)

2020.08.15
いつもブログをご覧頂きありがとうございます。
中村信喬(なかむらしんきょう)先生の展覧会を
9月9日(水)より、15日(火)までの会期にて開催いたします。
 ※最終日は午後4時に閉会

中村信喬先生は、1957年に人形師 中村衍涯(なかむらえんがい、福岡県無形文化財)の長男として
お生まれになりました。
九州産業大学芸術学部美術学科彫刻専攻(木彫)を卒業後、
陶芸家・村田陶苑、人形師・林駒夫(重要無形文化財保持者)、能面師・北澤一念に師事。
1999年、第45回 日本伝統工芸展に出品した「島影」(陶彫墨彩)で高松宮記念賞を受賞。
博多人形は、日本と中国の逸話を題材とすることが多い中、
中村信喬先生は天正遣欧少年使節を題材としたシリーズで新境地を開拓、
2011年、バチカンでローマ法王(ベネディクト16世)に謁見し、
少年使節の一人、伊東マンショの像人形を献上されました。

当時のことをお話されています。
「ある人物をつくろうと思ったら、資料をいろいろ調べるだけでなく、必ず現地に行きます。
実際に行って空気を肌で感じないと、良いものはつくれないですよ。
天正遣欧少年使節のシリーズをつくったときも、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂に行きました。
400年前のあの子らは、ぼくよりもっともっと感動しているはずですよね。
想像しているだけでは、わからないし、感動できないでしょう。
 自分の感動が形になるので、作家は感動しないといけないんです。」

さらに、博多祇園山笠(2016年にユネスコ無形文化遺産に登録)の飾り山笠を作る人形師としての活動や、工芸と現代美術の概念を融合させた展覧会として話題になった金沢21世紀美術館ほかで開催した「工芸未来派」へ出品など、多方面から注目を集めています。

そして、このたび、ついに、『髙島屋初個展』 開催の運びとなりました!!

それでは、図録掲載全作品をご紹介させて頂きます。
早速ご覧ください。




  

1  月魄 陶彫彩色 高48cm

 月の妖精と言う意味の言葉。月はこの地球、私たちの世界、自然、生活、人生などに大きく影響を与えています。月の満ち欠けにより海の干満や子供が生まれ人生を終えるなどです。その月の妖精がこれから満ちる月を持ちくる姿を制作いたしました。

 


2  月光 陶彫彩色 高38cm

 月の光を全身に受けている15世期ヨーロッパの衣装を身に付けた青年が立っています。輝くように立つ姿、実は月の光の化身で有り。人々に明るい未来を暗示しています。そのような希望を人の形に表現しました。

 



 3  月の使者 陶彫彩色 高46cm

 月はこの地球、私たちの世界、自然、生活、人生などに大きく影響を与えています。月の満ち欠けにより海の干満や子供が生まれ人生を終えるなどです。その月の妖精がこれから満ちる月を持ちくる姿を制作いたしました。

 



 4  東士献刀 陶彫彩色 高61cm

 世界の東西南北の地域の青年を中世ヨーロッパの装束を身に纏い、自国の武器を献上する姿で、世界平和を願った4体のうちの1体である。

 


 
5  正使 陶彫彩色 高39cm   


6  伊万里の海 陶彫彩色 高24cm

 有田焼の発展は、オランダ東インド会社による東洋貿易に依存していました。1644年の中国明王朝の滅亡に伴う混乱で景徳鎮生産量の減少をきたし、貿易磁器を他国に求めていました。そこで有田焼が、輸出され始めるのは1650年(慶安三年)からでした。1670・80年代には柿右門様式の爛熟期で、高い品質の陶磁器が長崎オランダ商館を通じてヨーロッパに大量に輸出されるようになりました。その有田焼の皿を手にした少年。遠くの異国の地に夢を馳せています。




7   赫焉 陶彫彩色 高39cm

 古代中国の唐時代の文官が遙か楼蘭の砂漠に立っている姿。砂漠で夕陽に赤く輝き砂漠を渡って旅をする強さを表現しています。

 
 
                                                       
8   瀧虹 陶彫彩色 高21cm

 中国、唐時代の胡帽を被る文官の姿で、清らかに流れ落ちる滝にかかる虹を人に見立て表現しています。

 


9   泉聲 陶彫彩色 高46cm

 古代越の国(現在のベトナム)の王が湧き出る水の聲を聞き、今まさに目の前に吹き出でる水柱の前に立っています。豊かに実る国の象徴として制作しました。

 


10  蒼穹 陶彫彩色 高39cm   

 清朝時代の皇帝の衣装に宇宙に輝く星の輝きを表現しています。

 
     
     

11  一炊の夢 陶彫彩色 高39cm  

     趙の時代に「盧生」という若者が人生の目標も定まらぬまま故郷を離れ、趙の都の邯鄲に赴く。盧生はそこで呂翁という道士(日本でいう仙人)に出会い、延々と僅かな田畑を持つだけの自らの身の不平を語った。するとその道士は夢が叶うという枕を盧生に授ける。そして盧生はその枕を使ってみると、みるみる出世し嫁も貰い、栄旺栄華を極め、国王にも就き賢臣の誉れを恣にするに至る。子や孫にも恵まれ、幸福な生活を送った。しかし年齢には勝てず、多くの人々に惜しまれながら眠るように死んだ。ふと目覚めると、実は最初に呂翁という道士に出会った当日であり、寝る前に火に掛けた粟粥がまだ煮上がってさえいなかった。全ては夢であり束の間の出来事であったのである。盧生は枕元に居た呂翁に「人生の栄枯盛衰全てを見ました。先生は私の欲を払ってくださった」と丁寧に礼を言い、故郷へ帰っていった。

 
     
   
12  帝陵 陶彫彩色 高33cm  

 秦の始皇帝陵の前に立つ張良をモデルにしています。漢の太祖劉邦の軍師として覇業を助ける意志の強さ、黄石公に軍略を学んだ謙虚さに感動して、その人となりを表現しています。

 
     
    
13  法隆寺献納 陶彫彩色 高37cm     

 聖徳太子が建立した法隆寺に中国の唐より来た文官が木彫彩色の鳳凰を献上したのではと想像して、献上する場面を制作しました。

 
     
     
  
14  薬師寺暁光 陶彫彩色 高41cm  

 薬師寺の中に収蔵されている麻布に描かれた吉祥天象を見て、唐時代の装束を身に纏い手には紅玉を持ち現れた姿として制作。

 
     
   
15  飛天楽人 木彫 木彫彩色 高58cm  
     
     
16  那智氷雪 陶彫彩色 高33cm  

 那智山中の那智原始林には、いくつかの渓流があり、瀧篭修行の行場としていた。その一番の大滝を那智滝と言われる。そこで雪荒ぶ中を自分の身を捨ててでも人々の安寧を願い修行する山伏の姿を作りました。

 
          
   
17  唐俑立女 陶彫彩色 高55cm  

 俑の人形は中国中国の漢(かん)時代(BC 2~AD3世紀)から唐時代(7~9世紀)にかけて作られました。8世紀中頃から太った女性になり、9世紀にはいるとこれが定着していった様子がうかがえます。8世紀の末、唐時代の文化がもっとも華やかに成熟した時期に作られた代表的な「唐美人」だということができます。また彫刻としても魅力があり、その豊かさの人形を再現しました。

 
     
    
18  桃苑 陶彫彩色 高45cm  

 古代中国の女性が手に持つ姿です。その女性は天上界の天帝の妃、西王母です。その西王母が育てている桃の苑には千年に一度身を結ぶ桃、それを食べると千年長生きし百年に一度身を付ける桃は百年、十年に一度の桃は十年長生きすると言う伝説。

 
     
     
19 首里城南殿 陶彫彩色 高35cm  

 琉球王朝の首里城(現在は焼失)の正殿の横にある南殿は年間を通して琉球の行事が行われていました。薩摩藩の接待所としても使われていました。そこに立つ琉球王朝の按司(王族)の一人が南殿に案内をして、この国の行方を思い強い意志を持って立っている。

 
     
     
20  海ぬ道 陶彫彩色 高26cm  

 琉球時代の漁師がサバニ(琉球の丸木舟)の櫂を手に遠くの海を眺めている。厳しい海に生きる漁師の青年の強さを表現しています。

 
     
     
21  瀧 陶彫彩色 高45cm  

 流れ落ちる清らかな滝を能楽の姿で表現。一滴の水から始まり岩を流れ森を抜け渓谷に流れ人々を潤し、大きな川になり実りをもたらして大河となり海に注ぐ、この美しき姿を人に表しました。

 
    
     
22  御所人形三番叟 (特) 陶彫彩色 高30cm 

  正月に舞われる狂言の壽三番叟を御所人形で表現。

 
    
    
23  御所人形宝船持 陶彫彩色 高17cm  

 江戸時代、享保(1716~1736)のころ京都で創始された幼児の人形。胡粉(ごふん)塗りで肌を白く磨き出し、大きな頭部とふくよかなからだつきに気品がある。主として裸体で着せ替えができる。皇室や公卿が大名への返礼品に用いたのが起こりである。手に宝船を持つ。

 
     
     
24  御所人形ぶりぶり持ち 陶彫彩色 高17cm 

  江戸時代、享保(1716~1736)のころ京都で創始された幼児の人形。胡粉(ごふん)塗りで肌を白く磨き出し、大きな頭部とふくよかなからだつきに気品がある。主として裸体で着せ替えができる。皇室や公卿が大名への返礼品に用いたのが起こりである。手に宮中の御殿玩具である、ぶりぶりを持っている。

 
        
   
25  束帯雛 陶彫彩色 高  殿18 姫15cm  
     
     
26  十二神将子 陶彫彩色 高15cm  
     
     
     
『博多人形』は素焼き人形の一種で、江戸時代初期、黒田藩が集めた陶工の中から始まったと言われています。     
1900年(明治33年)のパリ万国博覧会への出品をきっかけに、広く知られることとなります。     
     
人形づくりは、「デッサン」を経て、「原型」をつくるところから始まります。     
次に、「原型」から「型」をつくり、「型」に粘土を貼り付けて、乾燥させたものを焼成します。     
そして、素焼きした人形に「着色」します。手本を見ながら、下絵なしで筆で塗っていきます。顔を描く「面相」で人形の表情が決まります。     
かつての『博多人形』づくりは完全に分業で、中村家は「原型」づくりが専門でした。     
     
名人と呼ばれた初代(先生の祖父)は、(人形師である以上はどんな困難があっても)     
「お粥食ってでも、良いものをつくれ」     
「人に夢や希望を与えるものをつくれ」     
という家訓を残されました。     
     
一方、中村人形は百余年続く家業ですが、技法も技術も形も、     
「これを守らなくてはいけない」     
という決まりは一つもないそうです。     
それには、     
「何かにこだわってしまうと、それに固執してしまうから。」     
「その時代ごとに現れる、新しい素材や技術にチャレンジする気概が失われるから」     
という意味があるそうです。     
     
こんなエピソードもお話されています。     
     
先生が若いころ、お父様に、     
「石膏型をすべて捨てていいか」     
と尋ねたところ、あっさりと認められました。     
幼少の頃から、初代の話を聞き、二代目の姿を見て、育った先生は、     
「だからこそ、父の型を踏襲するのではなく、精神だけを受け継ぎ、そのうえで新しい試みをしたい」     
と思われたそうです。     
     
代々受け継がれた家訓は、家業を継ぐ長男、中村弘峰先生に伝えられています。     
     
     
 最後になりましたが、     
今展覧会ご挨拶文をご紹介させて頂きます。     
     
   
古来より人々の祈りを形にしてきた日本の人形文化。     
縄文時代の土偶、弥生時代の埴輪、平安時代の雛人形など、     
人々が国や土地、家族、特に幼き子供らを思い作り出されて来ました。     
その願いは現代でも同じです。     
色々な姿形を受け継いだ日本の人形文化を大切にし、     
祈りから生まれたひとがたを通して
他者を思いやる心をもう一度伝えていきたいと思っています。     
     
中村信喬     
     
     

〈略歴〉     
1957年 福岡県に生まれる 福岡県在住     
二代目人形父衍涯、人形作家(重要無形文化財保持者)林駒夫、陶芸家(故)村田陶苑、能面師北沢一念に師事     
1989年 日本工芸会正会員認定     
1997年 第15回伝統工芸人形展文化庁長官賞受賞     
1999年 第46回日本伝統工芸展高松宮記念賞受賞     
2001年 第48回日本伝統工芸展鑑査委員(以降4回)     
2006年 福岡県文化賞(創造部門)     
2010年 第1回金沢世界工芸トリエンナーレ招待出品     
2011年 ポーラ伝統文化財団優秀賞受賞      
ローマ ラ・ルーチェ展招待出品 ローマ法王拝謁、作品献上     
2012年 金沢21世紀美術館「工芸未来派」招待出品     
2014年 福岡市文化賞受賞 日本橋三越個展     
2015年 福岡三越個展 ニューヨーク、マンハッタンMAD美術館(工芸未来派展出品)     
2016年 伊勢神宮「ぬくもりの表現-次世代へつなぐ心と技-」招待     
KITTE博多「エンジェルポスト」制作     
2017年 福岡空港国際線1F ライオンズクラブ国際大会モニュメント「希望の獅子」制作     
薬師寺食堂完成     
日本の百選に選ばれ「薬師寺幻影」奉納     
2018年 日本橋三越特設画廊個展「TIME TRAVELER」     
2019年 ローマ教皇謁見、作品献上 「中浦ジュリアン」長崎26聖人殉教地     
     
〈パブリックコレクション〉     
東京国立近代美術館、金沢21世紀美術館、岐阜県現代陶芸美     
術館、バチカン(バチカン市国)、熱海MOA美術館に作品収蔵     
     
九州産業大学美術館 客員教授     
公益社団法人日本工芸会 理事     
日本工芸会西部支部 常任幹事     
一般社団法人日本人形玩具学会 理事     
財団法人今右衛門古陶磁美術館 評議員     
公益財団法人太宰府顕正会 理事 



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中村信喬展  祈りのひとがた   

2020年9月9日(水)→15日(火)

※最終日は午後4時に閉会
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直通電話 045-313-7898
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